面会にて

胆嚢炎

どんな顔して出てくるだろうか。

ご飯は食べたんだろうか。

まだか、まだかと面会開始時間を待つ。

かかりつけ病院は、面会は午後から。

それまでの時間、家の中でやれることをやる。

そろそろ時間だ。

大好きな、ちゅ~るも持っていこう。

私の手からなら、食べてくれるかな。

ボイコットであるならば、食べるかも。

期待を胸に、いざ病院へ。

受付を済ませ、待つこと15分。

診察室のドアのひとつが開き、

こてつんを抱えた看護師さんが顔を出す。

「こてつぅ~」

声をかけると、ちろっと私の顔を見て… 視線をそらす。

…あ、いじけてらぁ。

抱っこしたら、おとなしく抱っこされていた。

診察室をひとつ、面会用にしていただけているので

「しばらくこちらでゆっくりどうぞ~」

ありがたい。

入院したときは、前足にあった点滴ラインが

後ろ足になっていた。

ま、それはそこまで気にはならない。

抱っこしてたら、ヒンヒン言うので

「ちっこ?」と床に下ろしてみた。

一目散に出入り口のドアへ向かい、

ドアに向かって「開けろっ!」といわんばかりにワンッ!ワンッ!と吠える。

「違うよ~。こてつん、こっち。おいで。」

と声をかければ、戻ってきてしゃがんだ私の膝に手をかける。

あ、抱っこなのね。

かかりつけ病院は、基本は写真・動画の撮影禁止。

職員や他の患者さんのプライバシー保護のために。

許可をいただいて、こてつんのみ撮影。

しばらく抱っこしていたら、

どうやら、お許しいただけたらしい。

思い出したように、ペロペロとしてくれた。

最近のこてつんは、入院中はこんな感じになる。

「ぼく、捨てられた」

みたいな顔をする。

違うよ~。悪いとこ、治してもらうためだよぉ~。

ママもこてつんと一緒がいいんだよぉ。

撫でながら、優しく声をかける。

看護師さんの話だと、ご飯はやっぱり自分では食べようとしないらしい。

持参したウェットフードをシリンジにいれて、

口の中にいれてやれば、抵抗すること無く飲み込んではくれる。と。

その後、吐き出すこともない。と。

うんちはしっかりとしたものを出してくれている。

すごく元気に、歩き回っているらしい。

スタッフの皆様が、口を揃えて「元気になったね~」と。

あまりにも動き回るもんだから、点滴ラインがすぐダメになるんだと。

だから、足に変わっていたのか( ̄。 ̄;)

ただ、食べない。

そこが大きな問題なのだ。

しばらく抱っこして、ようやく何かを納得したように

いつものこてつんになったところを見計らって

持ってきたちゅ~るを試してみた。

…やっぱり、食べない。

くんくんするけど、ぷいっと顔を背ける。

指にちょっと取って、口に付けてやると

ペロッと舐める。

なるほど。

お腹は空いているんだろうな。

でも、食べることに抵抗があるんだな。

看護師さんが、夕飯を持ってやってきた。

「ママからなら、食べるかなぁ~?」

やってみます。

…食べない、な。やっぱり。

ちゅ~るに反応しないときは、ご飯も食べません。

家でもそうだから。

「こてつん、食べないと、おうちに帰れないんだよ」

理解しているかは分からない。

でも、何度もそう言って聞かせた。

「食べたら、おうちに帰れるよ。」

明日の朝、ぺろっと食べてくれたら、いいな。

そんな思いを乗せて、何度も語りかけてみる。

そして、他の患者さんの診察を終えた先生がやってきた。

「食べましたか?」「食べませ~ん。」

「だめかぁ~」

もしかしたら、食べることがトラウマになっているのかもしれない。

吐いたことは、数知れずあるけれど

立て続けに、あそこまでの嘔吐を繰り返したことは… ない。

苦しかったと思う。痛かったとも、思う。

食べたら、また吐くと思っているのかも知れない。

吐くのが怖くて、食べることを躊躇しているのかも、知れない。

「可能性は、ありますね」と先生。

ただ単に、まだ完全に復活はしていないせいで

ムカムカが残っているから食べないだけかも、しれない。

「食欲増進剤を使うことも出来ますが…」

「明日の朝まで食べなかったら、使ってもらっても構いません」

それでいきましょう。

と、相成りました。

確かに、入院させられたことに納得はしていないかも知れない。

でも、今回は痛かったし苦しかったし、

病院での治療で楽になったことも、多分理解はしているはず。

だから、ボイコットで食べないという訳では無いと

私は思っている。

こてつんが食いしん坊であることは、

看護師さんも知っている。

「リハビリの時は、めっちゃ欲しがりましたからねぇ~」

そう。

おやつをもらうために、「泳げばいいんでしょ?」と

えっちらおっちらと上手に泳いで見せたんだから。

前回、肥満細胞腫の手術での入院は

どこも痛くも痒くも無いのに、突然入院させられて

本犬も何が何だか分からぬうちに、

なんだかたくさん切られて、ぐるぐる巻きにされて、

「なんで?」

だったんだと、思うのよ。

だから、出されたご飯を「ふんっ!」ってすることで

その「なんで?」を訴えてたんだと、私は思っている。

だから、今回食べないのは、まだ不調が残っているって事。

そうなんだと、私は確信しているのだけれど。

でも、自分で食べるようになってくれないと

薬を飲ませることも難しくなるので。

食べて欲しいんだよなぁ。

今日、また面会に行きます。

採血予定もあるので、その後の変化も分かることでしょう。

この結果次第で、退院のめどが付くかどうか、決まるかと。

どうか、良くなっていますように。

食べれば、帰れるよ。だから、食べてごらん。
がんばれ!こてつん。 

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