さみしいな。

ひとりごと

来週のお出かけに先駆け、

美容院に行こうと予約を入れていた昨日。

私はずっと同じ美容院に通っている。

店舗が移転する前からの通算で30年を超える。

今の店舗になって20年は経つ。

今のマンションに越してきてからは徒歩圏内となった。

予約時間を勘違いしてて、遅刻するというトラブルもあり

でも、電話したら「大丈夫ですよぉ~。」と言うことだったので

急いで、すっとんで行った。

「遅れてすいませぇ~ん」

笑顔で「電話。わんちゃんの声、聞こえたよ~」と対応いただいた。

あ、聞こえた?すいませんねぇ~。騒がしくて。

とか何とか雑談し。

「先にシャンプーしますねぇ」とシャンプー台に案内され、

終わって席に着くと…

静かな声で

「店長が、亡くなりました」と、担当美容師さんが言った。

は?

なんで?

何があった?

肺がんだったらしい。

そういえば、ここ半年くらい姿を見ていない。

と、言っても 私も2ヶ月にいっぺんくらいしか行かないし

その日に出勤でないことも、ある。

たいして気にはしていなかった。

ちょうど、姿を見かけなくなった半年前

肺がんだと分かったらしい。

もともとアレルギー持ちで、ちょこちょこ咳き込むことはあったので

そのたびに、すぐ近くにある内科クリニックに行って

薬もらって、対処していた。

この時も、同じようにクリニックに行ったら

聴診した先生に「すぐに大きな病院に行って」と言われ

行った先で、すでに転移もしているし出来ることはない。

と、言われたらしい。

それでも諦めずに、同じ美容院で働くスタッフの勧めもあって、

診てくれるかも知れない大学病院へ受診し

抗がん剤治療を続けていたらしい。

抗がん剤の影響で、怠い中でも仕事を続けていた。

自分を指名するお客さんの施術をこなし、

それを終えたら、体調をみて帰ったり…と。

頑張っていた。

でも…

急変だったらしい。

私を担当してくれている美容師さんは

「まだ、実感がない」

と言っていた。

そうだと思う。

葬儀を終え、事実として、理解は出来ている。

でも、まだなんだかよく分からない。

そういう期間なのだ。

急に逝かれると、そうなると思う。

私もそうだった。母の時。

覚悟はしてたし、理解もしてる。

でも、そこに居ない事実を実感するようになるのは

すこし時間が経ってからだった。

「ああ、去年のこの時期は…一緒にいたな」とか

「あ~、そっか。今年はいないんだ」とか

そういう状況を繰り返して初めて、

存在しないという事実をかみしめる。

ちょっと癖のある人だった店長。

口が悪くて、人によっては受け付けないタイプの人だ。

でも、実はものすごく優しくて、周りのこともよく見てて。

経営することのセンスがある人だった。

「こんなこと、あったよね」とか

「そういう人だったよね~」とか

店長って、こんな人。

を、施術を受けている間、ずっと話していた。

会計を終え、帰るとき

「きっと、まだここにいると思うよ。店長さん」

「心配で、後ろをずっとついて回って、「大丈夫?」とか言ってるよ」

と伝えた。

「私もそう思う」

って、担当さんも言った。

美容院は続けていく予定だそう。

スタッフも皆、長く勤めている人たち。

一緒に築き上げたお店。

なんだかんだ言って、全部自分でやっていた店長。

分からないことだらけで、大変だけど

ひとつひとつ、確かめながら前に進めている。

そう言っていた担当さん。

守って欲しいな、店長さんの残したものたちを。

お店が存在する限り、私は通い続ける。
それが、供養にもなると思うし、ね。 

今日はこてつんの写真なしです。すんません(T^T) 

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